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学会発表

9月2日~4日にかけて
「第56回 日本栄養改善学会学術総会」が開催されました。

今回は、私、大都が
『宅配食と栄養指導をベースとした食生活改善プログラムの検証』と題して
演題発表をしてきました。

内容は以下のとおりです。
『目的』
現在、増加している生活習慣病は早期発見、治療によって発症や重症化を防ぐことが可能であり、意識変容、行動変容を起こすことが非常に重要であると言われている。
しかし実際には食習慣の改善は非常に困難であり、生活習慣病患者は増加・重症化している。一方、弊社配食サービス利用者の中には、サービスの利用により病状や検査数値の改善がみられるケースが多々ある。こうした現状を踏まえ、弊社サービスをうまく活用して、生活習慣病の予防と改善を目的に、宅配食と栄養指導をベースとした食生活改善プログラム『大人の食育道場』の開発を行った。
このプログラムでは昼食・夕食のうち、週4回を宅配食に置き換え4週間継続利用することで、乱れた食習慣や野菜不足を自覚し、適正な食事量と内容を体験する。
開始前後に栄養指導を実施し、自己管理ができるようにアドバイスを行い、意識変容、行動変容に繋げる。栄養指導では従来の食事記録を使用せず、アンケート形式で食事内容の把握を行える、『食事摂取ヒアリングシート』を独自に開発。このシートは食事記録ほどの手間もかからず、日常の食生活習慣全般の把握が可能になる。

『方法』
ある企業の従業員30歳代~50歳代、11名を対象にこのプログラムを実施し、開始4週間後、8週間後、12週間後にそれぞれ面談を行い、面談ごとに体重・腹囲・血圧測定とアンケートを実施する。
プログラム開始から終了2ヵ月後までの対象者の意識・行動変容を確認することで本プログラムの有効性を検証する。

『考察』
①介入後2ヶ月を経過するとなかなか行動変容ができず、改善しづらい傾向にある。
②最初の1ヶ月で改善した項目は行動変容を起こしやすい反面、悪習慣に戻りやすい傾向にある。
③2ヶ月が経過すると食生活改善へのモチベーション維持ができにくい傾向にある。
④宅配食を利用した結果、野菜摂取量の増加がみられた。
⑤「海藻・きのこ・大豆製品の摂取頻度」は主調理者の協力が必要と思われ、今後、中高年対象の栄養指導、特に男性には主調理者向けの指導(リーフレットなど)も必要ではないかと思われる。

『結論』
『大人の食育道場』は不健康な食生活習慣を見直すきっかけになり、プログラム期間中は改善ができると考えられる。
しかし、プログラム終了後はその効果がうすれてしまうため、終了後も定期的に食生活習慣を見直すきっかけづくりができる仕組みをプログラムに盛り込む必要があると考える。

2年近く携わったプロジェクトの集大成として
発表をさせて頂きました。
今回の検証を活かし、プログラム実用化へ向けて
もうひと頑張りしようと思っています。




  

管理栄養士 大都宏子

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