食事療養のサポートを現場から発信

果物の食べ過ぎに要注意!

こんにちは!京都管理栄養士の寺田です。

先週、訪問看護ステーションで勉強会をさせていただきました。
久しぶりの勉強会は、5名の看護師様と。
テーマは糖尿病と糖尿病性腎症の食事療養。
食事と血液検査の関係や、塩分、カリウム制限の話など、
ご利用様をサポートさせていただく中で
よくある話しを交えての内容で話をさせていただきました。
看護師様の視点からいろいろなお話しも聞けて
私自身も勉強になる良い機会になりました☆

さて、はーと&はあとでは、1か月に1回、
目利き商品として果物をご紹介させていただいています。
ご利用者様、特に栄養コントロール食のご利用者様の中には、
糖尿病の方、カリウム制限もある方など食事制限が必要な方もいらっしゃるので
担当管理栄養士より、電話にて確認や適正量をお伝えさせていただきます。

昨日私の手元に届いたのは、心疾患をお持ちのW様からの注文用紙。
幻の蜜柑『せとか』を注文したいとの連絡でした。
ちょうど3か月フォローのタイミングでもあったので、
最近のご様子伺いも兼ねてお電話させていただきました。

お電話させていたいたのは、いつも対応してくださるご利用者様のお母様です。

「どうですか?最近のご様子は?」
『特に何ともないと言われているんだけど、なぜかカリウムだけが高くてね…。』
今から果物の注文をお考えのW様。
ちょっと注意が必要です。
カリウム値を伺うと、5.8mEq/l。
基準値をオーバーしていました。

「病院からは腎機能が低下してるとか、消化管で出血がみられるとか…
何かお話しがありましたか?」と確認すると
『バナナを控えてください』と言われただけだとのこと。

カリウム値以外の数値はわからないとのことだったので、
そのまま食事のヒアリングへ。

朝食はパン+ジャム、茹で野菜、トマト、ヨーグルト、そして
バナナ1本、イチゴまたはキウイ、ミカン
昼食ははーと&はあとの食事にミカン1ケ、
夜は和食でご飯150~200g、はーとの食事を参考にしてバランスよくたべていますと。

果物がすごく多いですね。
どうしてこんなに食べているのですか?と伺うと、
『果物が好きなんです。それに昔、カリウム値が低くて、
医師からバナナ2本食べなさいと言われて。
それからバナナ2本+いろんな果物を食べるようになったんです。
今はバナナ1本に減らしてますけど…』

以前はカリウム値が低かったことがあったんですね。

しかし、今は状況が違います。
高カリウム血症はとても危険で、7.0mEq/l以上になると
不整脈により死に至る場合もあるんです。

高カリウム血症の脅威を伝えさせていただき、
まずは果物を減らすことと、次回血液検査が出たら確認させてくださいと
お伝えしました。

果物減らすとしたら、何を減らせそうですか?
一番カリウムが高いのはバナナなので、
次の検査までバナナを止めてみましょうか?

と伺うと

『それはちょっと難しいと思います。
果物好きなんですよ…』
とお母様。

あれれ、カリウム値が高いと命に関わる危険があると
あれほど伝えたのに…

再度、カリウム値が高いことの怖さをお伝えし、
W様に納得していただき、
果物の量を減らすようお伝えしました。


目利き商品のご注文も、今回は見合わせていただくことになりました。

おすすめの商品なので、ご賞味いただけないのは残念ですが、
お体第一ですからね!!

今回の血液検査は確認できていないので
来月の血液検査がでたら、是非ご連絡くださいね☆


管理栄養士 寺田満里子

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