食事療養のサポートを現場から発信

95歳の命

こんにちは☆北摂管理栄養士の大都です(^^)ノ
__0007.jpg 突然ですが、この写真どこかわかりますか?
某軽自動車のCMに登場する「島の醤油屋さん」です☆
私の田舎の島が舞台で、祖母の家のご近所さん。うちの兄の幼馴染の醤油屋さんです。

さて、今日はその島の祖母の話をしようと思います。
昨年の夏前に施設に入所し、暮れに骨折したものの元気だったのですが
先週、尿路感染症から発熱し、食事が摂れなくなり、肺に水が溜まっていたことが原因で呼吸困難、
腎臓、心臓もかなり悪いからと緊急入院しました。

私たちが入院先に面会すると
祖母は認知も少々進んでおり、鼻にしている酸素チューブや、腕にしている点滴の針を抜こうとして困るからということで、両手にミトンをされていました。
もちろん、簡単に取れないよう手首にしっかり縛られ
そして、ベットから落ちないよう(出ないよう)高い柵に囲まれて・・

周囲の患者さんのご家族や看護助手の方に
「これ(ミトン)取って。」と言うようです。
もちろん誰も取ってくれないので
ミトンをされた手で、一生懸命ミトンを取ろうとして
点滴の針がずれ血が滲み、皮下出血の跡も・・

点滴も鼻の酸素チューブに必要性がなかなか本人には理解できないようです。
しかも、筆談でないと会話が成り立たないため、説明もいちいち書かないといけません。

そんな祖母ですが、母親(祖母にとっては娘)の顔はすぐに理解でき
筆談での会話もでき、大きな声で(自分の耳が聞こえないので大きな声になるんですよね)喋ってくれ、元気そうでした。
が、食事の時間になると一気に表情が曇り、
出てきたミキサー食をまったく食べません。
無理やり食べさせ、3口が限界・・・

その後、主治医から
「ミトンは本人にとってはかなりストレスです。ミトンを外すと鼻の酸素チューブを外す、酸素チューブを外すと息ができなくなり・・最期です。肺の水も簡単には抜けません。退院はできないですね。」
と説明があり、「どうするかは家族で決めてください。」と。

ミトンを外して楽にしてあげてください・・とミトンを外すことを薦めらた私たちは
答えを出すことができませんでした。

意識もはっきりしている祖母のミトンを外すということは
死を選択することになります。

95歳、まだまだ家族としては生きてて欲しい。
なんとも難しい選択です。

少しでも肺の水が引いて、点滴も酸素チューブを外せる日が来ることを
祈っています。
95歳、十分長生きですが、家族としてはもう少し生きてて欲しいものです。


はーと&はあと 管理栄養士 大都宏子

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