食事療養のサポートを現場から発信

気合の入った栄養指導

こんにちは。北摂管理栄養士の島田です。

今年の暑さは僕たち以上に利用者さんやご高齢の方にはつらい夏になりそうですね。体調不良や脱水によるご入院が先月から非常に増えているのを実感します。水分補給の必要性と体調管理の難しさを痛感します。

さて、今回は初めて栄養指導にこられた方のお話です。月に1回整形外科に通院されている方に栄養指導を行っていて、指導患者の半分は高尿酸血症の患者さんなのですが、今回は初めて栄養指導にきていただいたKさま、70代男性。

これまでも尿酸が高かったようですが、先生から(他クリニック)は薬だけ処方され特に指導を受けることはなかったとのこと。今回なかなか尿酸が下がらないことから当クリニックを紹介され栄養指導をうけてもらうことになりました。

指導にこられて開口一番。Kさまより

「先生、今日は尿酸が高い原因と食べてはダメなもの、食べていいものを教えてください。そしたら今日からはそのとおりの食事をします。ダメといわれたものは一切食べないつもりで今日指導を受けに来ました!」と気合十分で指導がスタート。

 食生活をヒアリングすると

1.ビールは毎日欠かさず飲むこと

2.イカ・タコ類が好きでよく食べること

3.奥様が料理には鯵や秋刀魚などの干した魚をよく使用されること

が判明。(すべて尿酸を上げる原因です。)

尿酸を上げるもとのなるプリン体の多い食品摂取に偏った食生活であることをKさまにお伝えし、なぜ高尿酸が痛風を起こす原因になるのかを説明し、それを予防・改善するためにはどのような食生活をされたほうがよいのか・・・と話を進めていくと、徐々にKさまの気合がしぼんでしまいました。

好きなもの、よく食べているもののほとんどが高尿酸にとってリスクが高いものであることがわかり

「先生、私、よく食べるものばかりですわ。それを止めたら食べるものありませんね」と最初の気合の入ったコメントは、とても実行不可能なことであることを知り、ショックを受けられたようです。

「食べるのを止めることではなく、頻度と食べ方を気を付けるようにしてください」とフォローし

1.ビールに頻度を少し控えてもらうこと

2.水分をしっかりとって尿酸値を下げること

3.イカ・タコ・干した魚など、プリン体の多い食品は奥様に気を付けてもらって食べすぎないようにすること

をお願いしました。(野菜は毎食欠かさず食べられていたので、尿をアルカリ化するためにもこれからもしっかり食べてもらうこともお願いしました)

最後は食事療養への気合を取り戻されたKさまから

「もっと、早くに教えてもらえていたら気を付けられたのに、薬だけで全然食事のことを教えてもらえなかったわ。今日は来てよかった」と言っていただきましたが

「まだまだ修正可能な段階ですので、今日から気を付けてもらえれば大丈夫です。今からでも十分療養には意味ありますから。二か月後によくなったKさまに会えるのを楽しみにしています」とお答えしました

今日から出来ることがある間に指導に来ていただけてよかったです。 

 

はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

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