食事療養のサポートを現場から発信

食事の楽しみ

こんにちは。北摂管理栄養士の仲野ひとみです。

5年前から腎臓病対応、刻み食を昼、夕毎日ご利用されているO様・85歳男性のお話です。

義歯が合わずやむなく刻み食を召し上がっておられます。刻み食利用のお客様からは「見た目が悪い。」「食欲がわかない」などのご意見を頂戴することが多いのですが、O様は何も仰って来られませんでした。

しかし、Tabelu+が販売されることになり、何とか形あるものをお届けできないかと思いご提案させてもらいました。

※商品は普通の硬さでは食べられない方にも食べやすいように工夫し調理された商品です。

O様は大変喜んで下さり、「やっぱり形のある物が食べたかった!」と気に入って下さりました。ただ、この食事だとO様に必要なカロリーが約100キロカロリーほど不足してしまいます。

O様は認知症もなく病識も高いことからこの商品をご提案させてもらったのですが、やはり心配で利用後も補食の説明を何度もさせてもらいました。

O様は「大丈夫!パンなどを食べているから心配はいらない」と仰います。パンだと・・・たんぱく質の制限が守られない・・・と思い、ゼリーなどに変更をお願いしていましたが、なんといってもO様、刻み食から解放された事が今は一番嬉しいようで、「死ぬまで刻み食ばかりだと思っていた・・・」とカロリーや塩分の難しい話はそっちのけ。

喜んで頂けたことは私もとっても嬉しいのですが、「検査結果を確認しながら進めさせて下さい!数値が悪化したらもとの腎臓病対応食に変更しますね。」と何度も念押ししながら経過を見守ります。

本当に食事は楽しみではなかったようです。「薬だと思って仕方なく食べていた。死ぬまでに『食事』を楽しめるようになって嬉しい」と仰った言葉が本当に心に刺さりました。

食事は病気の改善、予防だけでなく喜び、楽しみの意味でも大きな役割をはたしていると改めて思いました。

㈱はーと&はあとライフサポート 管理栄養士 仲野

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