食事療養のサポートを現場から発信

高齢夫婦の食事療養、嚥下食のサポート

こんにちは。京都、管理栄養士の原です。

残暑が厳しく、秋が待ち遠しいですね。

さて、先日病院の管理栄養士さんからご紹介頂き、訪問したご高齢夫婦の報告です。

80代前半でご夫婦2人暮らし。
奥様は軽度認知傾向で、腰椎圧迫骨折を複数回されたことより、背骨が曲がり、支えなく歩けず、トイレと食事以外はベッド上で過ごしておられました。歯がほとんど欠損して、やわらかい食事しか食べれなくなっておられました。また水分摂取時によくムセて、もどしてしまう事があるとご主人からの情報がありました。
奥様のお食事はタベルプラスの軟飯付きで、やわらかくて食べやすい食事形態にし、嚥下機能の低下が予想される為、お茶にはトロミ剤(ツルリンコ)を使用して頂くようにお伝えしました。トロミ剤の使用でお茶など服用時にムセが減ったとのことで、ご主人が大変喜んでおられました。やせておられたので、いろんなお味が合って美味しいエプリッチもサンプルでお試しいただきました。
ツルリンコ.jpg
つるりんこ(素早くトロミが付きます。だまになりにくい)

epurich.jpg
エプリッチ(美味しいお味で高エネルギー、高タンパク)

ご主人は、しっかりとした几帳面な方で優しい口調で奥様の事をお話されるおおらかな方でした。ご主人が家事全般をされていますが、胸部動脈瘤の手術の必要があり、奥様の介護を他の方に1週間だけお願いできるタイミングで1週間手術入院されました。退院時に病院の栄養士から減塩の必要性を説明されていたけれど、スーパーの出来上がった惣菜でしか、食事準備が出来なかったため、配食を利用するように進められたとのことでした。

訪問して、一日の食事摂取内容(1300~1800kcal、塩分7.5~12g程度の摂取量でした。)をヒアリングし、身長体重からHarris-Benedictの式より基礎エネルギー消費量を算出すると959kcal/日、活動強度1.2、術後の為ストレス係数を1.2として、一日の全エネルギー消費量は1380kcal/日でした。

夕食だけ配食を希望されたいとのことで、一日塩分制限6gの指示が病院から出ておられるため、配食以外の朝、昼の合計で塩分が4g以上にならないように下記の事を守っていただくようにご主人にお伝えしました。(朝食の推定塩分摂取量は1.0g程度だったため主に昼食に注意して頂きました。)

① 昼食の麺類はそうめんやうどんより、塩分が0gである物が多いので、そばを選ぶ事。
② 麺類はぶっかけより、ツユをつけて食べる事。
③ ツユは減塩の物を選択する。
④ ツユを飲み干さない。

以上の事を守りながら、夕食として520kcal、塩分2.0g以下の食事、塩分調整食1600kcalを提案しました。

高齢化社会で、独居の世帯や、高齢夫婦の世帯で、これまで奥様が食事の準備をされていたが、奥様不在もしくは、奥様が介護必要になり、80歳を過ぎてから男性の方が食事の準備をしないといけない世帯が増えています。
配食サービスの需要もますます高まっていますが、
在宅でも管理栄養士が個々の方に合わせたお食事をお届けする必要も、
ますます高まっていると思います。
なぜなら、嚥下機能が低下して、トロミ剤を利用すべきという事を、誤嚥性肺炎になって入院して病院栄養士から言われてはじめて知る方や、配食以外の食事をどのようにすれば、塩分制限の食事療養がしっかりできるのか、分からず困っておられる方が多いからです。

在宅での管理栄養士の必要性がもっと広まってくればと思いながら、毎日利用者様の栄養相談をお受けしています。

はーと&はあと 管理栄養士 原

このブログを購読する

管理栄養士プロフィール

  • 山村 豊美
  • 大都 宏子
  • 島田 天心
  • 松政 千佳子
  • 柴田 満里子
  • 小山 祐子
  • 金成 なつみ
  • 六波羅 美幸
  • 末藤 浩平
  • 仲野 ひとみ
  • 相山 華菜
  • 原田 靖子
  • 徳山 沙紀子