ベッド上でもできる洗髪

暑い季節は、汗も多くかくため不潔になりやすく、入浴困難な方もいらっしゃいます。そんな方に、訪問看護で実践している、ベッド上でもできる洗髪方法をご紹介します。

 ○紙おむつを使っての洗髪方法

【利点】

・  最近の紙おむつは、大量の水分を吸収してくれます。

  洗髪に使用される水量でも問題ありません。

・  準備、後片付けが簡単。

・  短時間で可能。

・  呼吸困難のある人で、上体を少し起こしたままでも出来る。

【欠点】

・  紙おむつのコストが高い。

・  紙おむつを頭にあてることに抵抗がある。

 【準備物品】

●洗髪物品画像.pngのサムネイル画像

ビニールシート1枚/バスタオル1枚/タオル1枚/フェイスタオル1枚/紙おむつ/

シャンプー、リンス/ペットボトル2~3本/ブラシ/耳栓綿球2個/ドライヤー

※   綿球はなくても問題ありません。

紙おむつは、半分に切らずに使用しても構いません。

【手順】

  1. 膝を曲げ、膝下に枕や座布団を挿入し、安楽を保つ。
  2. 頭部から肩の位置にビニールシート、バスタオルを敷く。紙オムツを利用者の襟元に置く。
  3. 襟元にパットを巻き、両耳に綿球を入れる。

   ※フェイスタオルで顔を覆っておくとお湯がかからなくて

    良いかもしれません。

  1. お湯を髪全体にかけ濡らす。シャンプーを手掌で伸ばして髪全体につけ、よく泡立て洗う。

   ※シャンプーはリンスインタイプのものだとお湯が少なく

    また利用者の負担も少なくなるため良いかも知れません。

  1. 洗い終わったら、タオルでシャンプーの泡を拭き取る。お湯を少量ずつ流しながら十分にすすぐ。

   ※片手をお椀のような形にし、お湯を手に溜めながらパシャパシャ

    と洗うと効率よくすすぐことが出来ます。

  1. すすぎ終わったら上に重ねた半分の紙オムツを取り除く。
  2. 髪の水分をきりマッサージするようにリンスをして、洗い流す。
  3. 両耳の綿球、フェイスタオル、紙オムツを取り除き、バスタオルで髪の水分を拭き取る。
  4. ドライヤーで髪を乾かしブラシで整え、バスタオルとビニールシートを取り除き、体位を整える。

様々な工夫により、清潔を保ちたいという人間の基本的欲求を実現することができます。洗髪ケアをさせていただくと、みなさん「あぁ~気持ちいい!ありがとう。」と笑顔になられます。

●洗髪イラスト.pngのサムネイル画像

身体を綺麗にすることは、感染などのリスクを下げることだけではありません。ケア中の他愛のない会話から、利用者様の考え方や想いを知ることができます。良い関係を築くためのコミュニケーションを大事にしていきたいと考えています。

これからも、多くの利用者様を笑顔にできるよう、看護ケアの質向上に努めます。