食事療養のサポートを現場から発信

筑前煮をおいしく作るには

こんにちは。管理栄養士の島田です。

前回は、ご飯をおいしく炊くにはをアップさせていただきましたが

よい解決策はまだ見つかっていません。(残念ながら・・・)現在は炊飯後の冷却を行うときに

冷気で乾燥しすぎないように食品シートをご飯の上にかぶせ、蒸らす感じで冷やすことで

提供までの品質を維持し、ご飯のおいしさをなくさないように取り組んでいるところです。

今後は、銘柄による違いもあるのかも併せて検討していく予定です。

さて、今回はおいしい筑前煮を作るにはを書かさせてもらいます。

おいしいといっても、はーと&はあとの献立は食材の量、大きさ、調味料(だしの量も含めて)まで

すべて計算されていますので使える食材、調味料は同じです。

当然、どこの工場で作ってもご家庭で作っても同じ味になります。(なるはず・・・です)

なので、今日は大量調理でおいしく作るコツをご紹介します(ほんとは企業秘密に近いですが特別です)

筑前煮と聞けば、肉、野菜などを一緒にごった煮した料理をイメージされると思います。

たしかに、はーと&はあとの筑前煮もそのような仕上がりの献立です。

しかし、ご家庭ではごった煮でよくても、大量調理ではごった煮してしまうと問題が発生します。

それは・・・均一に盛り付けができないことです。ごった煮のまま炊いてしまうと

盛り付けもごった盛りになり、Aさんにはごぼうが入っているのに、Bさんにもは入っていないとか

C様には人参が2切れ入っているのに、D様には4切れも入っているなど(ちょっと極端ですが)

盛りつけムラができてしまいます。それでは商品として利用者さまに同一の栄養を提供できません

そこで、調理でのテクニックが必要になります。

例えば、鶏肉、大根、人参、しいたけ、ごぼう、いんげんの筑前煮の献立の場合

まず、砂糖、醤油、みりん、酒などの合わせ調味料を作り、お鍋で炊きます。

(そのとき入れるダシの量は総量の半分程度です)

最初に炊くのは鶏肉です。鶏肉を最初に炊くことで鶏から出るダシ(旨み)を利用します。

出しがでたら、次に鶏肉を炊きながらそのダシで隣の鍋でしいたけを炊きます。

鶏肉のだしにしいたけのダシ(旨み)をプラスします。

しいたけから出しがでたら、さらにそのダシで大根を炊きます。

鶏肉が炊けたらそれは一度上げてしまい、その鍋で次に人参を炊きます。

しいたけが炊けたら、しいたけを上げて、その鍋でごぼうを炊きます。

炊いていると調味料が少なくなるので、最初に入れずに残しておいたダシを足しながら煮汁を調整します。

最後にいんげん、炊きすぎると色が悪くなるので残り汁でも十分おいしく炊けます。

あとは、それぞれを冷却して味をしみ込ませ、盛り付けの時には

別々で炊いた食材をひとつの容器に盛り付けて、見た目ごった煮の筑前煮の完成です。

(文中のあげてとは、冷却用のホテルパンに移すことをいいます)

まとめて炊けば調理は楽ですが、盛り付けが大変ですし、なにより利用者にとって同じ筑前煮なのに

前回のと今日のものとで盛り付けムラがあるという不都合をさけることができます。

調理後の仕上がりではなく、盛り付け作業のことも考えて作るのが大量調理のテクニックだそうです

(調理師さんから教えてもらいました)

はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

このブログを購読する

管理栄養士プロフィール

  • 大都 宏子
  • 島田 天心
  • 小山 祐子
  • 末藤 浩平
  • 樋口 和希
  • 廣瀬 優子
  • 大河内 絵理奈
  • 磯好 幸枝
  • 竹本 敏美