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糖尿病性腎症

女性 / 80歳

糖尿病性腎症とは、糖尿病の合併症で腎臓の機能が低下した症状。

腎臓は左右に一対あり、血液を濾過して老廃物を尿として排泄しながら、体内の水分量や電解質バランス・血圧などを調節している臓器です。

糖尿病で高血糖の状態が長く持続すると、組織のたんぱく質に血液中のブドウ糖が結合した物質が増えて、全身の小さな血管を傷めつけ血管が詰まったり破れたりします(糖尿病性細小血管症)。腎臓の濾過装置である糸球体は細い血管が多いのでこれが起こりやすく、その結果腎機能が低下したものを糖尿病性腎症と呼んでいます。

生活環境 生活状況
お一人暮らし。
元々糖尿病がありインスリン療法をされていました。この一年間で徐々に腎機能も低下しネフローゼ症候群に。
下肢のむくみも悪化し歩行困難、畑仕事をすることが難しくなりました。
身の回りのことはほとんど自立されており、買い物・調理もご自身で管理されている
【食事内容】
朝:たけのこの煮物 澄まし汁 サケフレーク ごはん
昼:サバ寿司2切れ 味噌汁
夕:煮豆 白菜と豚肉の煮物 ほうれんそうのお浸し ごはん
ご利用の経緯
お食事はご自身でご用意されており糖尿病に気を付けておられましたが腎機能低下により食事作りをどうすればいいか悩まれケアマネジャーさんに相談。
当社を紹介いただき2022.5月より配食利用スタートとなりました。
ご利用の食種
塩分・たんぱく調整食 1600kcal たんぱく質:50g
塩分:5~6g 常食・おかずのみ
配食ご利用状況
昼食:
夕食: 月・火・水・木・金

管理栄養士からのアドバイス
樋口が担当しました
【目標】たんぱく・塩分の調整を行い、糖尿病の悪化予防・透析回避を図る
【行動目標】
①1食分のたんぱく質摂取目安量を知る
②塩分の多く含まれる食材の利用頻度を減らす
③必要なエネルギーの確保
  【アドバイス】
①朝食はたんぱく質の多く含む食品を避ける
②昼食と夕食のたんぱく質の多く含む食材をどのくらい食べたらよいか写真や配食を見て把握する
③塩分を控える献立の立て方、塩分の多く含む食材について知る
④エネルギー確保の為に、炒め煮やサラダにマヨネーズを使うなど調理の工夫を行う

血液検査の変化(2022.4~2022.8)
血液値は利用者様からの申告によるものです
ご利用後の変化
腎機能維持、HbA1c改善傾向の為7月よりインスリン単位が4単位減りました。Albは介入当初2.5でしたが3.7へ上昇。
下肢のむくみも無くなり、歩行も支障なく近くの畑で作物を収穫されるなど活動レベルも改善しました。
現在も平日夕食の配食は利用されつつ、朝食・昼食はたんぱく質量・塩分量を工夫しながらお食事を用意されています。
また、時々お友達と外食を楽しまれたり、好きなおやつを召し上がられたりと楽しくお過ごしされています。