日常生活の困りごとをサポート ~自助具とは~

こんにちは。作業療法士の山﨑です。
作業療法士は、身体機能改善に伴う運動の他に、自助具を用いて日常生活をサポートすることがあります。今回は、その自助具についてご紹介したいと思います。

自助具とは、麻痺・筋力低下・関節可動域の制限等で日常生活動作(食事・整容・入浴等)が困難になった方の為に、自分で行えるよう作成された道具です。
自助具は、介護用品ショップやインターネットからも購入可能ですが、自分に合ったものを使用しないと使い辛く、逆に体の負担になる恐れもあります。そこで、作業療法士が一人一人の心身機能に合わせ、生活環境なども考慮して選定する事が大切になっていきます。また、市販されているものでは合わない場合、その方に合わせて改良や一から作成も行います。

例えば、スプーンやフォークが握り難く食事ができない場合には、太柄スプーン、くるくるグリップ、カフ等があります。色々な種類の中から、どれが一番使いやすいか選択し、動作の練習を行っていきます。

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私が作成したことのある自助具として、長柄付ブラシがあります。股関節の手術後の方で、足元に手が届かず、足の裏が洗い難いとの訴えがありました。そこで、楽な姿勢で足の裏を洗うことができるように、ブラシに長い柄を取り付けた自助具を作成しました。
「これで一人でお風呂に入れる」と喜んでおられました。

自助具以外でも、ペットボトルのストロー付きキャップが役にたった方がおられました。夜中に「喉が渇いた」と起こされて困っていると、奥様からご相談がありました。そこで、100円ショップにあるペットボトルのストロー付きキャップを提案しました。
次に伺った時には、枕元にペットボトルを置いて自分で飲めたので、夜中に起こされることもなくなったと喜んでおられました。

このように、福祉用具や自助具ではないものでも、介護の現場で役に立つものがあります。悩んでいる事はどんな些細なことでも、何か解決できる方法があるかもしれないので、ご相談して頂けたらと思います。利用者様の機能改善だけではなく、ご家族様の介助量の軽減も大切だと考えています。
 
最後に、私はよく100円ショップに「何か良いものないかな~。」とフラッと立ち寄ることがあります。最近では介護用品も増えてきており、自助具に使えそうな物がないか探しています。いきなり介護用品ショップで購入するのに抵抗がある場合には、手ごろな価格で試してみやすいかもしれませんね。