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脂肪肝・肝臓疾患の食事療養のポイント

»食種栄養価一覧表

急性肝炎とは?
急性肝炎とは、肝炎ウィルスの初感染により(食品、血液、薬、アルコールなど)肝細胞が炎症、破壊された状態です。A型肝炎は主に食品(貝類や肉類)から感染し、B型C型肝炎は輸血や汚染注射針、出産時による母子感染などがあり、B型C型は慢性化しやすいといわれています。
慢性肝炎とは?
慢性肝炎とは、肝臓の炎症が6ヶ月以上持続した場合を指し、肝硬変や肝癌に進展する場合もあるといわれています。
肝硬変とは?
慢性肝炎がさらに進行し、肝細胞の壊死、変性、炎症と肝臓細胞の減少が生じている状態です。代謝期と非代謝期にわけられ、代謝期では肝臓の機能が残っていますが、より機能が低下した非代謝期では黄疸、浮腫、腹水、意識障害などの症状が見られます。
アルコール性肝障害とは?
長期にわたる過剰な飲酒が主な原因と考えられていて、おもに中性脂肪が肝臓にたまり肝臓が肥満化した状態になり肝障害が発症するアルコール性脂肪肝と、宴会などで普段より大量のお酒を摂ったときに起きる急性の肝障害(アルコール性肝炎)があります。
脂肪肝とは?
肝細胞の内部に中性脂肪が異常に多くたまっている状態です。肝機能の脂質代謝のバランスがくずれることで、肝臓に脂肪がたまります。主な原因は栄養過多、運動不足、アルコール、糖尿病などがあります。
NASH(非アルコール性脂肪肝炎)NAFLD(非アルコール性脂肪肝)とは?
NASH(ナッシュ)はアルコールを飲まない方にアルコール性肝障害と似た症状が起こる病気です。肥満や糖尿病と深い関係があるといわれていて、それらが原因でNAFLD(ナフルド)と診断された方でNASHの症状が見られる場合、普通の脂肪肝に比べて肝硬変に移行する危険が高いといわれています。

肝機能に関する検査値

AST、ALT γ-GTP
基準値:AST10~40IU/l、
ALT6~40IU/l
基準値:男0~60IU/l、
女0~30IU/l
総ビリルビン ChE(コリンエステラーゼ)
基準値:0.3~1.2mg/dl 基準値:3,500~8,000IU/l
血中アンモニア CRP
基準値:40~80µg/dl 基準値:0.3mg/dl以下

ASTはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ALTはアラニンアミノトランスフェラーゼ、γ-GTPはγ-グルタミントランスペプチターゼの略称です。
AST・ALTは補酵素として働き、ほとんどの臓器に存在し、臓器の障害を疑うときにその程度や経過などをしるために利用されます。

食事療養の基本

  1. 肝細胞再生のため、良質のたんぱく質を十分取る。
    • 卵、牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐、凍り豆腐、茹で大豆、納豆、白身魚、脂肪の少ない肉(ささみ、皮なし鶏肉、赤身肉)をとる。
  2. 肥満を避けるために、標準体重を維持する程度のエネルギーとし、脂肪は多過ぎないようにする。
    • 消化のよい乳化された脂肪(バター、マヨネーズ)、植物油などを量を気をつけてとる。
    • 揚げ物は避ける。
  3. ビタミン、ミネラルは十分とる。
    • 野菜、果物、芋類をバランスよく摂取する。
  4. アルコールは控える(アルコールが原因の場合は禁酒)。
肝硬変の場合
  1. 非代謝期で、高アンモニア血症や肝性脳症がある場合は、アミノ酸製剤を服用されることから食事からのたんぱく質を制限する。←腎臓病の食事療養のポイントを参照
栄養過多による脂肪肝の場合
  1. エネルギー制限をする。(標準体重を目標とする。)糖尿病・肥満症の食事療養のポイント参照
  2. 糖質やアルコールを制限する。
  3. 良質のたんぱく質を十分摂取する(卵、白身魚、脂肪の少ない肉、豆腐など)。
  4. ビタミンを十分とる。
アルコールによる脂肪肝の場合
  1. アルコール類は禁止する。
  2. 栄養バランスのとれた食事をとる。

»食種栄養価一覧表

引用・参考文献一覧
山本みどりほか:臨床栄養ディクショナリー,メディカ出版,2002
玉川和子ほか:臨床栄養学実習書,医歯薬出版,2000
中村丁次:栄養食事療法必携,医歯薬出版,2000
足立香代子:検査値に基づいた栄養アセスメントとケアプランの実際,チーム医療,2006
科学技術庁資源調査会編:五訂日本食品標準成分表,2000

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