新型コロナウイルスによる1日の国内死者は、今年に入り過去最高人数を記録しています。この第8波の中、当ステーションの陽性者対応(現段階)についてご紹介します。今後も、ブラッシュアップを重ねながら、よりよい感染対策ができるように努めていきたいと思っています。

【当ステーションでの陽性者対応物品】
①~⑳の順にセットしておき、現場では上から順番に取り出して使用しています。

①紙袋にゴミ袋(45L)セット【A】
※①の中に以下の順番で物品を入れていく。
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②ビニール袋を二重にセット【B】
③アル綿2個
④足カバー
⑤アルコール消毒ボトル【C】
⑥45Lゴミ袋(イエローゾーン用)【D】
⑦フェイスシールド
⑧ヘアキャップ
⑨サージカルマスク
⑩N95マスク
⑪手袋2枚
⑫タブレットカバー(チャック付きポリ袋など)
⑬タブレット
⑭ガウン
⑮手袋2枚
⑯45Lゴミ袋(かばん保護用)【E】
⑰ゴミ袋(小)【F】
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以下は自分の服のポケットに入れて、退室後にすぐに取り出せるようにしておく。
⑱ゴミ袋【G】
⑲A4サイズのチャック付きポリ袋【H】
⑳サージカルマスク【I】

【訪問前の準備】
・到着の30分程前に利用者に電話して以下のことを伝える。今から向かうので、「①玄関の鍵を開ける、②部屋の換気をする、③お出迎えは不要」であることを説明。

グリーン(清潔)ゾーンでの事前準備:家の外】
・持ち込まないカバンなどをビニール袋で覆い、安全な場所に置いておく。
・記録は退室後に記載する。記録用紙やペンは持ち込まない。
・バイタルセットなどは、利用者宅のものを使用。無い場合は利用者専用で貸し出す。
・入室前にアンダー手袋をつけておく。また、アンダー手袋は退室するまでつけておく。
・退室後に、アンダー手袋を破棄するゴミ袋小【F】をセッティングしておく。(窓の格子などに袋が飛ばないようにセット)

イエロー(準清潔)ゾーンの確保:玄関】
・玄関を開ける。自分自身が玄関に入る前に、そのまま少し換気をする。
・換気後も玄関はしめずに10㎝ほど開けておく。(強風の場合は閉める)
・PPEは外でつけることが望ましい。近隣の目がある場合は、玄関でPPEを装着する。
・玄関に入ってからゴミ袋【D】を敷き、イエローゾーンを確保し、ゴミ袋1【A】とゴミ袋2【B】を設置する。
・PPE脱衣時に使用するアルコール消毒ボトル【C】を設置する。
・玄関でイエローゾーンを確保できるよう、療養者および家族には「玄関に近づかないよう」説明する。難しい場合には、玄関を使う頻度を減らしてもらうように伝える。
・利用者および家族には、マスクを着用してもらうよう依頼する。
※PPE: Personal Protective Equipment(個人用防護具)

レッド(不潔)ゾーンでの状態確認:居室】
・部屋に入ってから始めに換気をする。
・換気が不十分、あるいは利用者の呼吸器症状(咳・くしゃみ)が強い場合には、扇風機を自分の背後に置き、風を流す。できるだけ自分が風下にならないようにし、開けている窓の方に向けて風をあて換気する。
・通常の訪問のようなケアの提供はできない。状態確認がメインで15分以内での滞在時間を目指す。

【陽性者対応後の帰り支度】
<玄関内ですること>
・手指消毒をしながら、汚染度の強いものからPPEを脱ぎ、順次ゴミ袋1【A】に捨てる。
・口を縛ったゴミ袋は、72時間経過するまでは家の中に置いておく。72時間経過した時点ではじめて破棄できる。
・フェイスシールドはアルコール綿で拭いて、廃棄しないもの用の、ゴミ袋2【B】に入れる。退室時は内側のゴミ袋だけを取り出して、物品を持ち帰る。

<玄関外ですること>
・事前にセットしていたゴミ袋小【F】にアンダー手袋を入れる。ゴミ袋の口を外側に向けてからきつく縛り、事務所のゴミ箱に破棄する。
・フェイスシールドなどの持ち帰り物品を入れたゴミ袋【B】は、自分のポケットに用意してあるゴミ袋【G】で覆って二重にして持ち帰る。
・自分のポケットからチャック付きポリ袋【H】を取り出し、N95マスクを入れて、ポケットに片付ける。
・自分のポケットから新しいサージカルマスク【I】を取り出し、装着する。

【まとめ】
・PPEを外すときが一番重要『ウイルスを持ち出さない』
・ウイルスに触れないように脱衣『接触感染予防』
・触れていたとしても消毒『ウイルスの不活化』
・手指についてしまったとしても、口に入れない『手指消毒』
・口に入ったとしても、洗い流す『うがい』
・洗い流せなかったとしても、免疫力『体調管理』
・思い詰めない『ストレス回避』
・事前準備『シュミレーションと練習』

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写真は関係機関の居宅介護支援事業所で管理者が講義した時の一コマです。

この度、訪問看護ステーションはーと&はあとの公式Twitterを開設しました。

ステーションの様子や、各スタッフの取組みをお届けしたいと思っています。
宜しければ以下のリンク先からフォローをお願いします。

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@houkanHandH

usagi.png謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年もスタッフ一同精進し、利用者が安心してご自宅で暮らせるように看護・リハビリを行う所存です。皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2022年を振り返ると、World Cupでの日本代表の活躍が記憶に新しいですが、長きに渡るコロナ禍対応や物価高、ロシアとウクライナ戦争など、身の回りで起きる出来事に対して考えることが多い1年だったと思います。

当事業所でも年に2回、スタッフに求めるスキルを明示した上で、日々の業務に取り組めるように評価表を用いた面談をしています。スタッフの成長が事務所の発展に繋がると考え、個々の成長を大事にしています。昨年末に行った面談では、スタッフから「話し合いの場を増やして欲しい」との要望を受け、新たな取り組みを始めています。目標に向かって工夫と努力をし続けるのは、管理者もスタッフも同様です。自分の不足と逃げずに向き合い、成長に向けた努力を、日々の業務にいかに落とし込むかが重要だと考えています。

余談ですが、私は趣味でテニスをしており、昨年は約半年間に及ぶ「ボレー特訓」を行いました。苦手なボレー練習には逃げ出したい要素もありましたが、目標に向かって練習を続けたことが上達に繋がりました。物事の多くは「苦楽」の順でやってきて、苦の次には楽しみが待っていることを、管理者業務・テニス経験の中で実感する機会に恵まれ、大変有難く思っています。

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今年で管理者5年目を迎えました。スタッフとは『苦労を分かち合い、成長を喜び合える』関係性を築きながら、歩んでいきたいと思っています。結果が出るまでに時間がかかることには、地道な努力と場数(練習量)が必要だと感じています。道中は苦しいと思いますが、"踏ん張らずしてジャンプはできない"と肝に銘じ、諦めずに進む所存です。どんな困難にも対応していける強い組織を目指すべく、事務所の地盤固めに力をいれる一年にしたいと思います。2023年も変わらぬご愛顧の程、宜しくお願い致します。

「プチナース」は看護の専門出版社、照林社が発行している月刊誌で、ナースを目指す方に、臨床実習や看護師国家試験に役立つ情報を、看護を学ぶ学生の視点で編集された学習誌です。

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この度、プチナース12月号の「気になる科の先輩に聞く!臨床ナースのお仕事レポート」に、「訪問看護」の紹介として当ステーションが取材を受け、漫画形式と文章と合わせて3ページ掲載されています。

この企画は新型コロナウイルス感染症流行の影響により、看護学生が現場で働く看護師と会って話をしたり、仕事を見学する機会が減るなか、生の声でしかわからない様子を学生に伝える為にできたものです。

依頼は今年の7月にあり、オンラインで管理者の山本がインタビューに応じ、仕事の内容や魅力をお伝えしております。

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山本管理者の取材の感想
学生さんにとって、訪問看護の世界がより身近なものになるといいなと思っています。利用者様のお宅に訪問し、様々なことに対応できるよう「看護技術の習得」「医師や看護師との連携方法」を学びながら、訪問看護師を目指す方が増えることを期待しています。

下部のお知らせPDF版は、山本管理者が漫画になった一部も載せております。
是非クリックしてご閲覧下さい。
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