この度、『訪問看護ステーションはーと&はあと』は、10月1日をもって、4周年を迎え5年目に入りました。
4周年を迎えられたのは、ひとえに皆様のおかげと、心から感謝しております。今までも、これからも「利用者のニーズに応えること」を大切に進んでいく所存です。
当ステーションが考える利用者とは「訪問看護が必要な方」「ケアマネージャー」「先生」「医療機関」と考えています。これらすべての方のニーズを的確に把握し、期待に応え続けるために、欠点は素直に認めて恐れず正すこと、良い点は強化することを意識しています。良いことも偶然起こるのでは意味がなく、いつでも再現できるようになってはじめてプロの技といえると思っています。というと、さもできているようですが、まだまだその境地に至るまでは長い道のりだと思います。ですが【目指さないことには決してたどり着けない】と肝に銘じ、日々実直に仕事に取り組んでいきます。
5年目の「訪問看護ステーションはーと&はあと」も、変わらぬご愛顧をどうぞよろしくお願い致します。
管理者 山本愛

暑い季節は、汗も多くかくため不潔になりやすく、入浴困難な方もいらっしゃいます。そんな方に、訪問看護で実践している、ベッド上でもできる洗髪方法をご紹介します。
○紙おむつを使っての洗髪方法
【利点】
・ 最近の紙おむつは、大量の水分を吸収してくれます。
洗髪に使用される水量でも問題ありません。
・ 準備、後片付けが簡単。
・ 短時間で可能。
・ 呼吸困難のある人で、上体を少し起こしたままでも出来る。
【欠点】
・ 紙おむつのコストが高い。
・ 紙おむつを頭にあてることに抵抗がある。
【準備物品】

ビニールシート1枚/バスタオル1枚/タオル1枚/フェイスタオル1枚/紙おむつ/
シャンプー、リンス/ペットボトル2~3本/ブラシ/耳栓綿球2個/ドライヤー
※ 綿球はなくても問題ありません。
紙おむつは、半分に切らずに使用しても構いません。
【手順】
- 膝を曲げ、膝下に枕や座布団を挿入し、安楽を保つ。
- 頭部から肩の位置にビニールシート、バスタオルを敷く。紙オムツを利用者の襟元に置く。
- 襟元にパットを巻き、両耳に綿球を入れる。
※フェイスタオルで顔を覆っておくとお湯がかからなくて
良いかもしれません。
- お湯を髪全体にかけ濡らす。シャンプーを手掌で伸ばして髪全体につけ、よく泡立て洗う。
※シャンプーはリンスインタイプのものだとお湯が少なく
また利用者の負担も少なくなるため良いかも知れません。
- 洗い終わったら、タオルでシャンプーの泡を拭き取る。お湯を少量ずつ流しながら十分にすすぐ。
※片手をお椀のような形にし、お湯を手に溜めながらパシャパシャ
と洗うと効率よくすすぐことが出来ます。
- すすぎ終わったら上に重ねた半分の紙オムツを取り除く。
- 髪の水分をきりマッサージするようにリンスをして、洗い流す。
- 両耳の綿球、フェイスタオル、紙オムツを取り除き、バスタオルで髪の水分を拭き取る。
- ドライヤーで髪を乾かしブラシで整え、バスタオルとビニールシートを取り除き、体位を整える。
様々な工夫により、清潔を保ちたいという人間の基本的欲求を実現することができます。洗髪ケアをさせていただくと、みなさん「あぁ~気持ちいい!ありがとう。」と笑顔になられます。

身体を綺麗にすることは、感染などのリスクを下げることだけではありません。ケア中の他愛のない会話から、利用者様の考え方や想いを知ることができます。良い関係を築くためのコミュニケーションを大事にしていきたいと考えています。
これからも、多くの利用者様を笑顔にできるよう、看護ケアの質向上に努めます。
当ステーションは、大阪府ステーション協会の会員で、三島ブロックに属しています。ブロック内で、様々な委員会があり、そのうちの一つに災害委員があります。2018年の大阪北部地震時に、在宅人工呼吸器装着患者が一斉に救急車を呼び、大混乱となったことをきっかけに「在宅人工呼吸器装着患者における自助の備えの重要性」が叫ばれるようになりました。今後同じことが起こらないように、各ブロックに拠点ステーションが設けられ、災害時にも対応できる仕組みづくりに取り組んでいます。
<三島ブロックの今年度の拠点ステーション>
高槻市:北摂総合病院訪問看護ステーション
みどりが丘病院訪問看護ステーション
茨木市:アクティブネットワーク訪問看護ステーション
訪問看護ステーションはーと&はあと
上記4ステーションで活動しています。
拠点ステーションの役割の一つに、発電機の管理・指導があり、年に2回発電機体験研修を開催しています。当ステーションは7月に、発電機体験研修を開催しました。当ステーションから5名と、他ステーション管理者1名の計6名が受講し「発電機使用方法受講証明書」を無事に取得することができました。

地域の方が安心して暮らせる一助となれるよう、これからも尽力していく所存です。個々の訪問看護の力を合わせることで、地域を支える大きな力になれると思っています。そのためにできることを、災害委員として精一杯努めたいと思います。今後とも宜しくお願い致します。

こんにちは。作業療法士の山﨑です。
今回は、ご自宅でも簡単に無理なく行える「棒体操」をご紹介したいと思います。特に肩の体操は、ストレッチ効果が期待され関節の動きが良くなったり、筋力の増強にも繋がったりと、自宅でも簡単に取り組んで頂ける体操です。片麻痺がある方は筋力に左右差があっても、麻痺側と反対側の手で補助しながら行うことが出来ます。
実際のご利用者様のご様子と、体操に使用する「棒」の作り方、肩の体操の方法ご紹介します。
80代のパーキンソン病の男性と棒体操を行い、方法を覚えてもらい毎日各体操5~10回程度続けてもらうようお伝えしました。その日の状態に合わせて、体操に取り組んでもらいました。日により出来る日と出来ない日があると言っておられましたが、次の訪問時には以前よりも腕がよく上がるようになっておられました。奥様と一緒に続けた効果が出ているなと、リハビリ時に取り組むだけではなく、ご自宅でも毎日続けることが本当に大切なんだと改めて実感することが出来ました。ベッドの横など目に入る場所に棒が置いてあることで、日々の習慣に繋がったのではないかと思います。
●「棒」の材料と作り方
材料:・新聞紙1~2日分(太さによって)・ビニールテープ・ガムテープ
作り方:
①新聞紙を端(開く方)から順に丸めていきます。
②ビニールテープで止めます。
⇒更に③両端をガムテープで貼り、全体をビニールテープでぐるぐる巻きにすると、より綺麗に仕上がり耐久性もアップします。
※握りやすい太さに合わせて新聞紙の量を調節して下さい(重くなり過ぎても使い難いので)

●棒を使った体操(肩の体操)※座ったままでも寝ていても体操が行えます。
棒は肩幅程度の位置を持ち、体操は息を止めないように自然な呼吸を心掛けましょう。
痛みに注意して無理のない範囲でゆっくりと取り組んで下さい。
①上に伸びをするように上げていきます。
②胸の前から肘を伸ばし、肩甲骨から前へ押し出すようにします。
③腕を伸ばした状態で、右側へねじります(左側も同様に)。
※座って行う場合は④頭の上に手を伸ばした状態から、首の後ろに下ろしていきます。
棒を作るのが大変という方は、タオルを使って頂いてもかまいません。
ここで紹介させて頂いた運動の他にも、バランスを鍛える体操や足の体操、手指の体操等まだまだ多くの種類があります。使い方は、工夫次第ですので、ぜひ自分にあった体操を見つけて試してみてくださいね。ちなみに...肩など凝っている所を棒でトントンと叩くだけでも、程よい硬さで気持ち良いですよ。