事務員の平井です。
去年の4月にはーと&はあとに入職し、日々訪問看護の事務を勉強しながら取り組んでいます。今回は、訪問看護介入の際に使用する保険についてお話します。

      訪問看護での介護保険と医療保険      

介護保険の対象は、

①65 歳以上の方(第1号被保険者)と
②40 歳から64 歳までの医療保険加入者(第2号被保険者)に分かれ、
第1号被保険者は原因を問わずに要介護(要支援)認定を受けた者、第2号被保険者は加齢に伴う疾病(特定疾病)が原因で要介護(要支援)認定を受けた者となります。

上記以外の方は医療保険の対象です。
ですが、要介護や要支援の認定を受けた介護保険の対象でも、以下の①②③のどれかに該当する方は医療保険の対象になります。

【医療保険の対象】
①医師が発行する訪問看護指示書に、厚生労働大臣が
定める疾病等(別表第7:下図)の記載がある場合。
  ※指定難病=医療保険対象ではありません

②医師が特別訪問看護指示書を発行する場合。

③医師が精神科訪問看護指示書を発行する場合。


 別表第7
別表第7 加工.png
 
次は、①の別表第7で注意すべき「パーキンソン病関連疾患」と「頸髄損傷」について、事例を交えてご説明します。



    別表第7パーキンソン病関連疾患と頸髄損傷について   

訪問看護では、別表第7に該当すると医療保険での介入となりますが、パーキンソン病関連疾患と頸髄損傷は注意が必要です。

パーキンソン病は進行と重症度(ヤール(Yahr))をⅠ~Ⅴのステージに分けています。(Ⅰが軽症、Ⅴが最も重症。) 
また、日常生活にどの程度の介助を要するのか(生活機能障害度)もⅠ~Ⅲに分類しています。(Ⅰは介助をほぼ必要とせず、Ⅲは全介助を必要とする。)
パーキンソン病であれば全てが別表第7に該当する訳ではなく、ヤールはⅢ以上、かつ生活機能障害度がⅡ以上となって初めて、別表第7に該当します。


当ステーションで週1回の訪問リハビリを利用のA様(要介護3)は、通院先の主治医から、疾病名にパーキンソン病と記載された指示書が発行されました。

しかし、ヤールと生活機能障害度の記載が無かった為、別表第7には該当せず、介護保険で介入となりました。
 
その後、ADL低下により通院が難しくなったA様は訪問診療を受けることになり、主治医を在宅医に変更。それに伴い指示書も新しく発行されることになりました。その疾病名にはパーキンソン病ヤールⅤ 生活機能障害分類度Ⅲと記載があり、この指示書の有効開始日から医療保険に切り替わりました。 

  
また、別表第7に記載ある頸髄損傷とは別に、似た疾病名で頸椎損傷があります。

頸髄は神経を指すのに対し、頸椎は骨を指しています。

この二つは同じ頸部ではありますが異なる疾病です。

指示書に頸髄損傷とある場合は、別表第7に該当し医療保険となりますが、頸椎損傷であれば別表第7には該当しない為、要介護(要支援)認定者は介護保険での対象となります。

原稿.png

最後までお読みいただきありがとうございました。

今年の冬はとても寒く外に出るのが辛い日も多かったですが、少しずつ寒さが和らいできたのを日々の訪問の中で感じます。

私は2022年7月から訪問看護はーと&はあとに入職致しました。既に半年以上の月日が経ち、すごく長かったようなあっという間だったような不思議な感覚です。

はーと&はあとで働くまでは病棟でしか働いたことがなく、病棟では日勤と夜勤で入って、入院患者の看護をしていましたが、はーと&はあとでは日勤のみ・オンコールあり・バイクに乗って訪問にまわる、と初めて尽くしでとても勇気を出した転職でした。

その勇気を出した結果、まだまだ経験不足や知識不足を痛感し不安も多い毎日ですが、そんな不安をひっくるめて「楽しい~!」と実感しながら利用者様のお宅からお宅へとバイクを走らせる日々を送っています。

入澤さん画像1.jpg

何がそんなに楽しいんだろうと改めて考えてみたところ、病棟にいた頃と訪問に来てからの自分の視点が変化していることに気付きました。

先日のことですが、初めての利用者様のお宅に訪問した際に
「今のご自宅の環境で困っていることは無いかな?」「家族はどの辺に住んでいてどれ位の頻度で来るのかな?」「この方は今後どう過ごしていきたいのかな?」と自然に考えている自分に気付きました。

病棟でもこれらの情報は把握しますが、ケアにおいては日々の治療的な視点が優先されていました。
ですが、訪問ではこれらの情報が日々のケアにダイレクトに繋がります。

病棟で働いていた時から『患者様が自分のペースを守り安心して生活していくためには』をベースとしてケアにあたりたいと考えたものの、治療が優先される病棟での実践は非常に難しいものでした。今は利用者様が望む生活とは何かの視点を第一とし、そのために必要なケアとは?を考える毎日です。

その方の望む生活を送るためのお手伝いが出来ることはとても嬉しく光栄なことであり、
それこそが自分のやりたかったことなので毎日寒くても不安でも楽しい!と感じるのだと思います。これからもこの視点を持ち続け、知識と経験を重ねて精進していきたいと思います。

作業療法士の川部です。
入職してから8カ月が経ちました。入職当初から訪問に行かせていただいている利用者様とは8カ月のお付き合いになります。時間が経つのはほんとうに早いものです。

訪問に行かせていただいていると、利用者様から嬉しいお言葉をかけていただくことがたくさんあります。その中のひとつを紹介させていただきます。

先日、リハビリ中にある利用者様から「いつもありがとう。毎週来てくれるこの時間を楽しみにしている」と声をかけていただきました。いやいやとんでもないです!と思いながらもとても嬉しくてあたたかい気持ちになりました。

               ブログ用.jpg

リハビリ=訓練、きつい、辛い というイメージをもっている方もいるのではないかと思います。時にはきついこともあるかもしれませんが、その方にとってのリハビリが楽しいものとなっていてよかったなぁと嬉しく思いました。

日本作業療法士協会の作業療法士Q&Aに「どのように関わると意欲向上につながりますか?」というものがあり、その回答の中に、『関係性を築きながら、「何をしている時に楽しさを感じるか?」をお聞きします』とありました。

これを読んで"楽しい"という気持ちは、リハビリでも勉強でもダイエットでも何をするときでも、とても大切な事なのだと学びました。どんなことでも楽しむことで集中力がアップする、上達が早くなる、目標達成が早くなるなどのメリットがあるのではないでしょうか。

訪問させていただく中で、利用者様がどんな時に楽しいと感じるのか、身体が良くなったらどんなことをしたいのか、どんな生活を過ごしたいと思っているのかなどお聞きしながら、少しでもリハビリへのモチベーションが上がったり、リハビリが楽しいと感じてもらえるような関わりをしたいと思っています。

私はご自宅を訪問してリハビリをさせていただいている立場ですが、私自身が利用者様から元気をいただいている事がたくさんあります。いつもありがとうございます。これからも利用者様の生活が少しでも豊かなものになるように、お手伝いできればと思います。

新型コロナウイルスによる1日の国内死者は、今年に入り過去最高人数を記録しています。この第8波の中、当ステーションの陽性者対応(現段階)についてご紹介します。今後も、ブラッシュアップを重ねながら、よりよい感染対策ができるように努めていきたいと思っています。

【当ステーションでの陽性者対応物品】
①~⑳の順にセットしておき、現場では上から順番に取り出して使用しています。

①紙袋にゴミ袋(45L)セット【A】
※①の中に以下の順番で物品を入れていく。
==
②ビニール袋を二重にセット【B】
③アル綿2個
④足カバー
⑤アルコール消毒ボトル【C】
⑥45Lゴミ袋(イエローゾーン用)【D】
⑦フェイスシールド
⑧ヘアキャップ
⑨サージカルマスク
⑩N95マスク
⑪手袋2枚
⑫タブレットカバー(チャック付きポリ袋など)
⑬タブレット
⑭ガウン
⑮手袋2枚
⑯45Lゴミ袋(かばん保護用)【E】
⑰ゴミ袋(小)【F】
==
以下は自分の服のポケットに入れて、退室後にすぐに取り出せるようにしておく。
⑱ゴミ袋【G】
⑲A4サイズのチャック付きポリ袋【H】
⑳サージカルマスク【I】

【訪問前の準備】
・到着の30分程前に利用者に電話して以下のことを伝える。今から向かうので、「①玄関の鍵を開ける、②部屋の換気をする、③お出迎えは不要」であることを説明。

グリーン(清潔)ゾーンでの事前準備:家の外】
・持ち込まないカバンなどをビニール袋で覆い、安全な場所に置いておく。
・記録は退室後に記載する。記録用紙やペンは持ち込まない。
・バイタルセットなどは、利用者宅のものを使用。無い場合は利用者専用で貸し出す。
・入室前にアンダー手袋をつけておく。また、アンダー手袋は退室するまでつけておく。
・退室後に、アンダー手袋を破棄するゴミ袋小【F】をセッティングしておく。(窓の格子などに袋が飛ばないようにセット)

イエロー(準清潔)ゾーンの確保:玄関】
・玄関を開ける。自分自身が玄関に入る前に、そのまま少し換気をする。
・換気後も玄関はしめずに10㎝ほど開けておく。(強風の場合は閉める)
・PPEは外でつけることが望ましい。近隣の目がある場合は、玄関でPPEを装着する。
・玄関に入ってからゴミ袋【D】を敷き、イエローゾーンを確保し、ゴミ袋1【A】とゴミ袋2【B】を設置する。
・PPE脱衣時に使用するアルコール消毒ボトル【C】を設置する。
・玄関でイエローゾーンを確保できるよう、療養者および家族には「玄関に近づかないよう」説明する。難しい場合には、玄関を使う頻度を減らしてもらうように伝える。
・利用者および家族には、マスクを着用してもらうよう依頼する。
※PPE: Personal Protective Equipment(個人用防護具)

レッド(不潔)ゾーンでの状態確認:居室】
・部屋に入ってから始めに換気をする。
・換気が不十分、あるいは利用者の呼吸器症状(咳・くしゃみ)が強い場合には、扇風機を自分の背後に置き、風を流す。できるだけ自分が風下にならないようにし、開けている窓の方に向けて風をあて換気する。
・通常の訪問のようなケアの提供はできない。状態確認がメインで15分以内での滞在時間を目指す。

【陽性者対応後の帰り支度】
<玄関内ですること>
・手指消毒をしながら、汚染度の強いものからPPEを脱ぎ、順次ゴミ袋1【A】に捨てる。
・口を縛ったゴミ袋は、72時間経過するまでは家の中に置いておく。72時間経過した時点ではじめて破棄できる。
・フェイスシールドはアルコール綿で拭いて、廃棄しないもの用の、ゴミ袋2【B】に入れる。退室時は内側のゴミ袋だけを取り出して、物品を持ち帰る。

<玄関外ですること>
・事前にセットしていたゴミ袋小【F】にアンダー手袋を入れる。ゴミ袋の口を外側に向けてからきつく縛り、事務所のゴミ箱に破棄する。
・フェイスシールドなどの持ち帰り物品を入れたゴミ袋【B】は、自分のポケットに用意してあるゴミ袋【G】で覆って二重にして持ち帰る。
・自分のポケットからチャック付きポリ袋【H】を取り出し、N95マスクを入れて、ポケットに片付ける。
・自分のポケットから新しいサージカルマスク【I】を取り出し、装着する。

【まとめ】
・PPEを外すときが一番重要『ウイルスを持ち出さない』
・ウイルスに触れないように脱衣『接触感染予防』
・触れていたとしても消毒『ウイルスの不活化』
・手指についてしまったとしても、口に入れない『手指消毒』
・口に入ったとしても、洗い流す『うがい』
・洗い流せなかったとしても、免疫力『体調管理』
・思い詰めない『ストレス回避』
・事前準備『シュミレーションと練習』

kansentaisaku01.jpg
写真は関係機関の居宅介護支援事業所で管理者が講義した時の一コマです。